「か」

彼を知り己を知れば百戦殆からず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)

分類ことわざ意味味方と敵の情勢によく通じていれば、何度戦っても負けるようなことはない、という意味。ここでの「彼」は、戦う相手のこと。「己」は自分のこと。「百戦殆からず」は、百回戦っても負けない、という意味。中国の兵法書『孫子』から。
「て」

敵なきに矢を放つ(てきなきにやをはなつ)

分類ことわざ意味目的がないのに無駄に事を為すこと。射るべき敵も居ないのに、矢を放つ、ということから。
「ぬ」

抜け駆けの功名(ぬけがけのこうみょう)

分類ことわざ意味人の隙を見たり、騙したりして、自分だけうまいことをして手柄を立てること。また、人を出し抜いて利益を得ることをいう。戦いで陣営をそっと抜け出し、人より先に駆けていって一人で敵に攻撃をかけることで、仲間を出し抜いて立てた功名、手...
「ゆ」

弓折れ矢尽きる(ゆみおれやつきる)

分類ことわざ意味手段も力も尽き果てること。また、戦いに敗北し散々な目にあうこと。
「や」

八百長(やおちょう)

分類ことわざ意味前もってこっそりと打ち合わせで勝ち負けを決めておき、真剣に戦うふりをして勝敗を争うこと。馴れ合いで事を運ぶこと。また、わざと負けること。昔、八百屋と相撲茶屋を経営していた長兵衛(通称、八百長)が、ある親方と囲碁を打ち、強いの...
「い」

夷を以て夷を制す(いをもっていをせいす)

分類ことわざ意味自国の安全を守るために、他国をもってして別の第三国を抑止すること。「夷」は、中国から見て東国の意味(東夷)だが、一般に中国以外の民族をいう。
「よ」

横槍を入れる(よこやりをいれる)

分類ことわざ意味関係のない者が横から口をはさんで妨害すること。当事者でもないのに、横から文句をつけたり、差し出口をきいたりすることをいう。向かい合って戦闘しているところに、横から槍で突きかかる、ということから。
「う」

烏合の衆(うごうのしゅう)

分類ことわざ意味烏(カラス)の集まりのように、いたずらに騒ぐばかりで規律も統制のない集団・群衆・軍勢のこと。また、寄り集まってはいるが、何のまとまりもなく、あまり役に立たない人々のこと。人の群れを、鳴き騒ぐだけでまとまりのない烏の群れにたと...
「ふ」

風声鶴唳(ふうせいかくれい)

分類ことわざ意味些細なことにまでびくびくして怖気づくこと。「風声鶴唳」は、敗軍の兵の耳に届く風の音と、鶴の鳴き声で、また、敵襲かと、恐れ驚くことから。
「さ」

塞翁が馬(さいおうがうま)

分類故事意味幸いと不幸は互い違いに訪れ、何がどうなるかわからないものだ、という意味。また、人間の運命は、幸福と不幸が絶えず入れ替わるため、何が幸福で何が不幸かわからない、という意味。「塞」は、砦。「翁」は、男性の老人のこと。故事昔、中国北方...
「お」

小田原評定(おだわらひょうじょう)

分類ことわざ意味長い時間をかけているのになかなか決まらない相談や会議のこと。また、あれやこれやと評議ばかりして、まとまりのつかないことをいう。相模の小田原城が、豊臣秀吉の軍勢に囲まれた時、城主の北条氏と家臣団は、長い時間和平か戦闘かの両論を...
「こ」

呉越同舟(ごえつどうしゅう)

分類ことわざ意味仲の悪い同士が、共通の困難や利害に対して協力し合うこと。あるいは、それから転じて、仲の悪い者同士が同じ場所に居合わせることをいう。「呉「越」は、中国・春秋時代の国の名前(対立国)。呉と越の国は互いに仲が悪かったが、同じ舟に乗...
「け」

捲土重来(けんどちょうらい)

分類ことわざ意味一度失敗した者が、再び勢いを盛り返して物事に取り掛かること。たとえ一度戦いに敗れても、土煙を巻き上げて再び攻撃する、ということから。「捲土」は、土を巻き上げるような勢いのこと。「重来」は、重なり来ること。「重来」は「じゅうら...
「お」

驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)

分類ことわざ意味栄耀栄華を極め心が奢ってわがままな行動をする者は、永くその地位を保っていくことができず滅びるものである、という意味。『平家物語』の冒頭にある「驕れる人も久しからず・・・」からの言葉。天下を握って栄えた平家も、たちまち源氏に滅...
「い」

怒りは敵と思え(いかりはてきとおもえ)

分類ことわざ意味すぐ立腹し怒るのは、人の反感を買い、自分を破滅させる敵と考えて慎め、という戒め。何事を行う場合にも短気は損をする。怒りは自分を滅ぼす敵だから用心せよ、という意味。徳川家康の遺訓。同類語・同義語 短気は損気
「ゆ」

勇将の下に弱卒無し(ゆうしょうのもとにじゃくそつなし)

分類ことわざ意味大将・将軍が強く勇ましければ、その部下も皆感化されて勇気に富み弱い兵士はいない、ということから、上に立つ者がしっかりして立派であれば、下にいる者もそれに倣ってしっかりするものだ、という意味。
「し」

知らぬ顔の半兵衛(しらぬかおのはんべえ)

分類ことわざ意味相手に顔を合わせた時や何かを聞かれた時に、全てを承知していながら何も知らないような顔をしていること。戦国時代、竹中半兵衛が羽柴秀吉の「わが軍の軍師になってくれ」という依頼に対して、知らぬ顔をしていたことから、といわれる。同類...
「し」

心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)

分類ことわざ意味心に浮かぶ雑念をすべて捨て去って無念無想で事に当たれば、たとえ火の中に入っていても涼しいと感じるようになる、という意味。甲州恵林寺の僧快川国師(かいせんこくし)は織田氏の軍勢に囲まれて寺に火をつけられた時、この句を唱えながら...
「さ」

三軍に帥を奪うべし、匹夫志を奪うべからず(さんぐんすいをうばうべし、ひっぷこころざしをうばうべからず)

分類ことわざ意味大軍の総帥(大将)という地位は奪うことができても、志というものは教養のないつまらない男からも奪い取ることができない。そこから、どんなにつまらない人でも、馬鹿にできない、という意味。同類語・同義語 匹夫も志を奪うべからず
「さ」

山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し

分類ことわざ意味山に立てこもる賊を倒すよりも、自分の心の中に巣食う賊、すなわち色々な邪念を打ち払う方が難しい、という意味。王陽明の書中の句。